仙骨+完骨=骨盤
仙骨は5つの仙椎とそれらの間にある椎間円盤からなる。概ね20歳前後には融合してひとつの仙骨となる(尾骨も同様)。
男性の仙骨は比較的長く彎曲が強いのに対して、女性のそれは比較的短く幅広で彎曲は弱い。


後ろから見ると融合してひとつの仙骨になっているのがわかる。
仙骨には4対の仙骨孔があって、椎間孔と同じように神経(馬尾神経)の通り道になっている。横には腸骨(ちょうこつ)との関節結合部、耳状面(じじょうめん)がある。
仙骨に寛骨という大きな扁平骨が付いて骨盤帯を形成する。

内側から見た右の寛骨(かんこつ)。腸骨、恥骨、坐骨の3つの骨からなり概ね20歳前後で融合する。

左前から見た右の骨盤帯。
仙骨の耳状面と腸骨の耳状面で仙腸関節(せんちょうかんせつ)を形成し、ひとつの骨盤帯となる。
耳状面は他の関節面と違い凸凹している。仙腸関節と呼ばれる半関節を形成している。
(関節一覧は↓)
中々定義が定まらない仙腸関節ですが、部分的な滑膜関節と部分的な線維性軟骨結合の両方を持ち合わせている説が現在濃厚。関節腔は非常に小さく動きも極小さいとまとまってきました。

20代なかば以降、左右の寛骨同士も恥骨結合で徐々に癒合していくので、仙腸関節はほとんど動かない「半関節」という判断は継続されています。
「妊娠出産で骨盤が開く」などよく言われます。
考古学の世界では、妊娠出産経験の有る無しを腸骨に刻まれる『妊娠痕』で判定しています。
解剖学でも『妊娠痕』の研究が進んで経産婦のみに現れることが確認されました。

妊娠痕と呼ばれる溝や窪みが刻まれるのは耳状面の下、前側。出産時ではなく妊娠時。ホルモン分泌で徐々に靭帯が緩んでいく際に生じるとされています。骨盤帯全体でみるとこんなところ↓

前仙腸靱帯の付着部。
妊娠痕は靭帯が緩むことで生じた損傷を修復した痕であると言われています。
腸骨・恥骨・坐骨が癒合し、左右の恥骨も癒合したら、骨盤自体の形は基本変わりません。【骨盤】というひとつの骨格は、腰仙関節と股関節の働きで動きます。動くのはあくまで関節なのです。